医療で使用されるRF(ラジオ波)は、300KHz~6MHzの高周波です。人体に影響する電磁波より波長が長く、周波数が低いものを使用しています。RFは電極の最短距離を流れる性質があり、周波数が高いほど生体の表面付近、つまり温度の高い部分に、エネルギーが多く流れ込みます。RFが生体組織に流れるとき、生体組織の電気抵抗により、熱エネルギー(ジュール熱)に変わり、生体組織に作用を及ぼします。
人体の一つひとつの細胞組織は、『生体電気』『生物電気』といわれる微弱な電気を帯びています。細胞内には細胞核があり、その外側には、小さな穴のあいた形質膜があります。その形質膜の外側は、+(プラス)、内側は、-(マイナス)帯電しており、そこに高周波が照射されると、帯電状態に変化が起こります。そうすると、細胞内に酸素や栄養素が入り、老廃物や炭酸ガスなどの不要物を排出します。
上記のような、真皮層のコラーゲン等の結合組織の増大作用だけではなく、新陳代謝・物質交換を盛んにして、肌細胞の活性化にも効果的です。
『サーマクール』の高周波は、6MHzの波長ですので、比較的肌の深部に到達できる波長を使用しており、非常に強い熱エネルギーを発生させることが可能です。皮膚深部に強い熱エネルギーが到達し、熱影響は4mm~5mmに及びます。熱エネルギーが到達した部分は、照射部位のコラーゲン線維の5~15%がタンパク変性を起こし、肌の再構築を促します。
小﨑 医師